関西空港発ユナイテッド810便でサンフランシスコ、
さらに86便でニューヨークへ。日本出国時も細かい荷物検査があったが、
サンフランシスコでは、なぜか手荷物検査で引っかかってしまった。
モニターに映し出される私の手荷物。
検査員の表情が「あ〜、見つけちゃった」という顔をした。
別の検査員にコレコレと画面の一部を指差している。
「こっちへ」と呼ばれて奥の机の前へ行くと、そこには、
金髪のマッチョマンがバンザイのままフリーズ。
体を頭の先から足の先までボディチェックされてる真っ最中だった。
うっ、そこまでされるのか!?と思いながら、
私もかばんを素直に全開。係員はかばんに手を突っ込んで、
どんどん中身を広げていく。
化粧ポーチ、薬の袋、ペンケースから名刺入れ。
あ、カイロ! 粉ものだけに、別の意味でつっこまれへんやろか。
なんだか彼の手元が、スローモーションのように見えてきた。
ゴクッとつばを飲み込んだ瞬間、
「OK!」。
へっ? 終わり?
よかった・・・。なんだかあっけないじゃないの。
さっきまで、ちょっとしおしおな顔をしていた私も
急に元気になって、
「さんきゅうさんきゅう!」といってその場を離れた。
やった! 私は勝ったのだ!
ボディチェックもなしで、無事入国できた、この喜びを誰に伝えようゾ!!
やっぱり一人旅は、私にとっていつでも勝負。
アクシデントはもちろん、その国で出会った人とも、ネコとも犬とも、タクシーとも
どこか十番勝負のような、そんな気分で居るのです。
ましてやひとりで出かけたテロ直後のアメリカ入国。
勝負でなくて、なんといえようか。
でも、結局何が問題に?
その場ではわからなかったけど、後でよ〜く考えてみると、
どうも原因はソーイングセットのハサミじゃないかと思う。
友達が中国土産でくれた、小さなパンダのソーイングセットのなかに
親指くらいのハサミがあったのだ。
いくら小さいとはいえ使い方によっては凶器に変わってしまう。
検査員は、そんな小さな危険物でも決して見逃さず、
安全確認の任務をまっとうしたってことだ。
グッジョブ!!名前も知らない検査員!
あなたが見つけてくれた
空とぶパンダに隠された小さな凶器。
普段は枝毛を切っています。
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